番外編 MY SWEET HOME
    第三部  きみのためにできること

 

「バカシンジ」
「あ?なんだよお前その格好」
シンジが帰宅すると丈の短い刺激的なワンピース姿のアスカが玄関で仁王立ちして待ち構えていた。
「今日は外食するわよ。もうすぐミサトも帰ってくるから」
「じゃあ俺も着替えるよ」
「アンタはそのままでいいの。さ、行くわよ」
アスカに手を引っ張られエレベーターに乗り込むシンジ
「お前らいつも急だよなー折角今日うなぎ買ってきたのに」
「その事なんだけど、シンジこの前は悪かったわ」
「なにが?」
「そのカレーのこと・・・・」
「カレーは別にいいんだよ。怒ってるのは食べ物粗末にしたこと」
「だから悪かったわよ」
「二度とすんな!!!!!!!!!!」
「・・・うん」
「で?何食いにいくの?」
「シンジの食べたいもの」


エレベーターを降りると待っている背中の剥き出しになったイブニングドレス姿のミサト
「シンちゃーん」
「サンタさん・・・どおしたんですか?」
「エヘヘー今日は日頃の感謝の気持ちを込めて、たっぷりサービスしちゃうわよ」
タクシーの後部座席で2人に挟まれるシンジ
「ねぇぇんシンジィィ何食べたい?フレンチ?イタリアン?」
「シンちゃんお寿司好きだったわねーじゃあお寿司にしよっか」
「う、うん・・・」
体を両方から密着され戸惑うシンジ
(フフフ今日は女の武器でメロメロにしてあげるから覚悟してねシンちゃん)
(フフフ所詮シンジだって男、私がここまでして喜ばないハズないわ)
「じゃあ決まりね。私おいしいお寿司屋さん知ってるんだから」
「ミサトさん・・・お願いがあるんだけど」
「ん?なぁにぃシンちゃん?」


シンジの要望で連れて来られた加持、リツコ、レイ
「へえシンジ君の慰労会ねえ」
「そうよ。今日の主役はシンジ君なんだから、いっぱいおもてなしすんのよ」
「相変わらずバカな事やってんのね」
「リツコも頼むわよ」


「ちょっとファースト」
「なに」
「今日はシンジの慰労会なんだから、いっぱいおもてなししてあげるのよ」
「命令があればそうするわ」
「アンタだって日頃お世話になってんでしょ?」
「そうよ、レイ。これは命令なんだから、頼んだわよ」
「了解」


お座敷。体を密着させて胸をおしつけてシンジをもてなすミサトとアスカ
「さぁシンちゃーん。食べさしてあげる私のワワビ。はい、あーんして」
「やん、やん、シンジはアタシの赤貝食べるのぉ。アタシのコリコリした赤貝食べてぇぇん」
眉をひそめる向かいの席の加持、リツコ、レイ
(ほら、加持加持)
「え、ああ。いやぁシンジくんは本当にいつも頑張ってるなあ」
(ほらリツコも)
「え、ああ。そうよね。シンクロ率も上がってるし、最近のシンジ君は見違えるようだわ」
(ほらファーストも)
「碇くん、おしぼり」
「はぁ・・・どうも」
「いやあシンジ君は立派だよ。俺の14才の頃なんかと比べると本当にすごいよ」
「そうよね。正直今時の子ってどうかなって思ってたけど、シンジくんは違うわよね。偉いわよね」
「碇くん、醤油」
「はぁ、ありがとうございます」
「シンちゃーん。食べさせてあげる、私のおっきくなった貝柱いっぱい味わってぇぇん」
「食べてぇ。シンジィィン、アタシのまだ誰も触れたことのないはまぐり、激しく貪るように食べてぇー」
「ああああ!もううううウザイ!2人ともくっつき過ぎで食べられないよ!」
そう言ってシンジは立ち上がり、加持とリツコの間に座ってしまった。


「まま、加持さんどうぞ一杯」
「おお、すまんなシンジ君」
「いやぁ加持さんこそ凄いっすよ。なんか男は黙って仕事って感じで弱みを見せない所が」
「お!わかってくれるかシンジ君」
「ささ、リツコさん。リツコさんも大変でしょう。あの親父言葉足りないから」
「あら、ありがとう。そうよねえ、自由と言えば自由なんだけどね」
「アイツ人の都合考えないから、自分勝手だから」
「そうよね。容赦ないのよね」
「ああ、しか言わないから」
「そうそう、フフフ。そう言えばこの前も私が報告してると急に立ち上がったから
私ビックリしてどちらへって聞いたら、トイレだって・・・・」
早速それをモノマネしてみせるシンジ。笑い転げるリツコ
「あら?レイどうしたの?わさび食べれないの?私が取ってあげるわよ・・・え?
フフフ、シンジくんに取って欲しいそうよ」
「はい、綾波」
「ありがと・・・」
「ハハハ!シンジ君はモテるなぁ。まいったなこれは!」

「ねぇミサト」
「何も言わないでアスカ」
「でも・・・」
「今日はシンちゃんが喜んでくれればそれでいいの」
虚しく赤出汁を啜る、ミサトとアスカ
いつもなら、フォローしてくれるリツコも今日は笑い転げて見向きもしない
「次はもしも司令と副司令が板前だったら!!!!」
「碇くん、座布団」


「いやぁ今日は飲みすぎてしまったな。楽しかったよシンジ君」
「ほんと、私明日から碇司令の前で笑っちゃいそうで怖いわ」
「碇くん、ごちそうさま」
「じゃあな、シンジ君」
「又誘ってね、シンジ君」
「ありがと・・・・」


タクシーで家の前に到着した3人
「ああ今日は楽しかったぁ」
「そう」
「よかったわね」
「2人のおかげだよ」
「ううん。私のおかげじゃないわ。お金も加持とリツコが払ってくれたし」
「アタシ何もできなかった・・・」
「何言ってんだよ。てゆうか2人とも大胆過ぎだよ・・・まったくドキドキしすぎて
俺どうにかなっちゃいそうだった、ぶっ倒れそうだったよ」
「へ?」
「へ?」
「素敵な時間をありがとう。2人とも大好きだよ。さ、疲れたろう。先に帰ってコーヒーでも淹れてくるよ」
ニッコリ笑ってエレベーターへ駆けてゆくシンジ
ポツンと取り残されるミサトとアスカ
「・・・・そうなの」
「なーんだー照れてただけかあ。アタシ達バッカみたいぃぃぃ」
「逃げれば追いかける、追いかければ逃げていく男の習性・・・ぬかったわ」
「ふん、アイツもまだまだガキって事ね」
「フフフまぁいいわ。喜んでくれたみたいだし」
「結果オーライって奴ね。ああ疲れたぁ」
わざとらしく外した肩のヒモを直すアスカ
気分良く鼻歌歌いだすミサト
「♪心帰るー場所はひとつーMy Sweet Sweet Home♪」
満足気な疲労感をたたえた2人は歩き出す。
素敵な笑顔が待つ家へと・・・・・・・・・















「てゆうかミサト、シンジにくっつき過ぎだった。アレは流石にやりすぎ」
「アンタこそ!シンちゃんの手で自分の太腿触らせてたじゃない!ちゃんと見てたのよ!」
「はぁ?ムリヤリ胸に手を入れさせてたくせにーアタシ流石にアレは引いたわ」
「わざと股間に醤油こぼしていやらしーくフキフキしてた人に言われたくないわねそんなセリフ」
「し、仕方ないじゃない!アレは!わざとじゃないですー」
「どうだかーそれにアスカがあんなことしてるからシンジ君が席移っちゃったんじゃなーい」
「ちっがうわよ!だいたいアタシ優しく擦ってたしーミサトみたいにムリヤリじゃないもん」
「わっかってないわねーシンちゃんは大人の女に強引にされた方がいいのよーこれだからお子様はー」
「ミサトがそんなのするから席移ったのよーシンジは私の太腿の奥まで手伸ばしてたのよ?」
「それはもがいてただけですーシンちゃんは私の貝柱鼻息荒くして吸ってたんだからー」
「いいえーアタシのハマグリをハァハァ言いながら舌先でなぞってましたー」
「ちがいますーそれは私のアワビをですーアワビのビラビラを舌でほじくってましたー」
「2人とも廊下で騒いでないで早く部屋入ってきてよ。コーヒー冷めちゃうよ」

おわり

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