番外編 存在の耐えられない軽さ



教室。私が座っているところ、毎日くる部屋
掃除。綺麗にすること、汚れないようにすること
彼。碇シンジ、私に話し掛けてくる人、あの人の子供
「よおお、綾波、日曜、学校もネルフも休みだよなぁヘヘヘ、お前家で何すんの?」
「どうしてそんなこと聞くの」
「どうせ家でボーッとしてるだけだろ?あ?違うか?」
「そう」
「じゃあ駅前の噴水、9時に来いよな」
「命令があればそうするわ」
「これは命令なんだよ。ウケケ、あの画像ネットで流したらどうなるかな?」
「そう」
「みんな悲しむぜえええ、みんなとの絆なくなるぜえええ、醜聞な女はネルフに必要ないからな」
「そう、行けばいいのね」
「素直な女は好きだぜ?へへへ」


次の日
「おいおいなんで制服なんだよ」
「来たわ」
「イヤ、確かに服装の指定はなかったが・・・まあいい行くぞ」
「噴水」
「いや場所は合ってるけどよ。まあいい、これからいい所に連れてってやっからよウヘヘ」
「命令があればそうするわ」
「全部命令だよ!さあ行くぞ、その前に腹ごしらえか」

おソバ。あの人と食べたおソバ。座らないで食べる
「ようリトル・ダイス。今日は女連れか珍しいな」
「おっさん稼いだんだろ。取り分よこせよ」
「わかったよ、ホラ」
「ああ!なんだよコレなんで4:6なんだよ!8:2だろうが」
「未成年が何言ってやがる。ブツさばいたのはワシや。ここ奢ってやるからな、な」
「立ち食いソバ奢ったからって威張るな!てめえ女の前で恥かかせんのか、(#゚Д゚) ゴルァ!!逃げんな!!!」
「ごちそうさま」

映画館。暗闇の中の光。光は私に向かってくる
声。光の中の人、映し出された人
手。隣の人、碇君のぬくもり
「綾波の手って冷たいなぁ。ポップコーン食べなよ。アーンして・・・そんなに咀嚼しなくてもいいんだよ」
笑顔。いつもと違う笑顔。二人の時しか見せない笑顔
手。優しい手。私のふとももを這う。くすぐったい
「碇君」
「あの画像ネットに流されたくなかったらおとなしくしときな、優しくしてやっからよ
ここ触られると感じるか?ん?げへへへへ、綾波はカワイイな(*´д`*)ムッハー 」
カワイイ?知らない言葉・・・

空。青い空、目に見えないもの目に見えるもの
太陽。一つしかないもの
氷。冷たい、アイスクリーム、口の中で溶ける
「綾波のおいしそうだな、一口頂戴アーン。あらー口が大きいから全部食べちゃったー
そんな顔するなよモエェ(*´Д`*)ェエ工 ーまた買ってくるからーグヘヘ」

声。大きな声、碇君の声
歌。空気に震える響く流れる
カラオケ。歌を歌う部屋、音が鳴る部屋
「僕の髪がー肩まで伸びて君と同じになったらー」
「そばにいてーずっと君の笑顔をー見つめていたいー」
「君を抱いていいのー好きになってもいいのー」


空、赤い赤い照明。赤い色、赤い色は嫌い
「あー結構遊んだなー疲れたー」
ベッド。回るベッド。隣に座る碇君。今日はずっと隣
触れる手。背中に足にお尻に触れる手
「綾波の髪は柔らかいなぁ。いや髪だけじゃないけど、(*´Д`*)=3 」
暖かい手。私の頭に伝わる。心に
「キスしようぜ(;´д`)ハァハァ、」
近づく顔、碇君の顔。唇、いつも私の名前を呼ぶ、近づく近づく・・・

怖い、
怖い?
怖い・・・

「うへへ、大人しくしろよ(*´Д`)'`ァ'`ァ」
混ざる。夕ご飯。私が食べたトマトの味、彼が食べた肉の味
「!」
「うへへここはまだ生えてないな。今から俺が入るからな
アヤナミ(;´д`)ハァハァお前のその耐えてる表情がたまらねえ」
足のつけ根。一番深く、大事な所
「男に抱かれるって最高なんだぜ。俺がしてやるよ」
怖い怖い・・・でも逆らえない、体が動かない・・・

コレは誰、コレは私 私は誰 私はなに・・・
私は自分、この物体が自分 自分を作っているカタチ 目に見えるわたし でもわたしがわたしでないカンジ
とても変、体が溶けていくカンジ わたしがわからなくなっていく わたしのカタチがなくなっていく
「・・・・イヤだった?やっぱラブホとかこういうトコ好きじゃない?」

イヤ?
イヤ。
苦しい、
でも痛くない。
イヤ、
でもイヤじゃない

「・・・俺さぁ。家帰りたくないんだよねーミサト最近うざくてさー
前よりガミガミうるせー。踏み潰してやりたい( ゚д゚)、ペッ」
頭。碇君の髪、膝の上
「ああ、俺は綾波と暮らしたいよ、ずっと触れていたい・・・」
碇君。暖かい、いつも側にいる。いつも暖かい
寝顔。安心してる顔、カワイイ・・・・

「うおおい、もうこんな時間かよ!なんで起こしてくんないの!!」
「命令があればそうするわ」
「まあいいか、夜はこれから、本番はこれから( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \ 」
「そう」

また、怖い。
顔が見れない。
怖い。
でもイヤじゃない

「でもいいや、今日は疲れたし。寝みーし、帰ろう。送るよ。貫通式はまた今度・・・」

別れ。離してくれない手、離せない、手
額。柔らかい唇、感触
「ぐへへ、かわいいお前は俺のモノだぜーあの画像がある限りなーグヘヘ」
手のひら。頬を包む、温もり
顔にたくさん伝わる、唇の感触。たくさんのキス
「じゃあな、また、明日」
離れていく遠ざかる、温もり。

あの時からもう言わなくなった、言えなくなった、サヨナラ
「お前は俺のモノ・・・碇君はわたしのモノ」

おわり


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