リリスの身体がレイのそれに変わってゆく。ゆっくりと顔と体を上げていくリリス
糸を引く仮面との融合部
「レイ・・・・・」












#2 始まりへの逃避















「ターミナルドグマより正体不明の高エネルギー体が急速接近中!」
「ATフィールドも確認!分析パターン青!」
「まさか、使徒!?」
「いや、違う!ヒト!人間です!!」



発令所に現れる巨大なレイ
突然フロアからレイの左手が分子間をすり抜けるようにマヤの体をすり抜けていく
「ヒッ!?」
両手で頭を押さえ半狂乱になるマヤさん
「イヤッいやあっ!いいいあああっ!イヤッあああっ!」






雲海上の初号機
「絶景かな絶景かな」
もはや何もかも諦めたような穏やかな表情のシンジ
初号機を中心とした円陣を組んでるエヴァシリーズから突如、雲海の中から現れるレイ
のけぞった形のレイが浮上
「綾波」
指の間から凝視しているシンジ
ゆっくりと初号機に近づく巨大レイ。両手も初号機に迫る
「レイ?」
レイの顔。うなずくかの如く穴が閉じて、パッと開くと眼球が生成されている
「うわああっ!」
びっくりするシンジ






「「「エヴァンゲリオン初号機パイロットの欠けた自我をもって人々の補完を」」」


「三度の報いの時が、今」



一斉に翼に眼ができるエヴァシリーズ
わき断っている雲海上のレイの背と初号機。エヴァシリーズが光のラインで結ばれていく



「エヴァシリーズのATフィールドが共鳴」
「更に増幅しています!」
「レイと同化を始めたか」



エヴァシリーズの体中に大小さまざまなレイがボコボコとできていく






「綾波、そんなデカかったら愛せないよ・・・・・うわああああああん」
泣き出すシンジ
叫びつづける初号機



「心理グラフシグナルダウン!」
「デストルドーが形而下化されていきます!」
「これ以上はパイロットの自我が持たんか」



エントリープラグ内、背を丸めてうずくまっているシンジ
「もうヤダァ・・・なんでこんなことに、あの小さくて可愛かった綾波はどこに・・・うう
誰がこんなことにしたんだよ、俺のせいかよ、俺が何したっていうんだよぅ・・・」
「もういいのかい?」
ハッと顔を上げるシンジ
モニターごしに心配して覗き込むかのようなカヲル
「お前の仕業か・・・カヲル。いや使徒」



雲海のレイの体から別れてできているカヲルの上半身初号機の方へ両手を差し出す
極度の緊張の連続で意識を失っていくシンジ






「ソレノイドグラフ反転!自我境界が弱体化していきます!」
「ATフィールドもパターンレッドへ!」
「使徒の持つ生命の実とヒトの持つ知恵の実。その両方を手に入れたエヴァ初号機は神に等しい
存在となった。そして今や命の胎芽たる生命の樹へと還元している。この先にサードインパクトの
無からヒトを救う方舟となるか、ヒトを滅ぼす悪魔となるのか。未来はバカに委ねられたな」
青葉の袖を掴むマヤ
「ねえ、私達正しいわよねっ。シンジくん助かるわよねっ」
「わかるもんかっ」






生命の樹と化した初号機
槍を中心に眼があちこちにできている
その初号機を優しく包み込むようなカヲルの両手。スッとレイに入れ替わる



ユイ「今のレイはあなた自身の心。あなたの願いそのままなのよ」
レイ「何を願うの?」
シンジ「平穏・・・・」






遠く夕陽。揺れているブランコ
山や気も含め全てがシンメトリーの世界
砂場とブランコしかない公園
「そうだ。鉄棒で股間を擦りつけるのを覚えたときと同じだ。ここに来たら何かあると思ってた」
砂場の中心で作られつつある砂の城。その両脇に幼い女の子。勃って見下ろしているシンジ
「シンジくんもやりなよ」
「がんばってかんせいさせようよ。おしろ」
「うん。かんせいしたらみんなでくらそうね。あいよくにおぼれてあしたがみえなくなるくらいにね」
両手でペタンペタンと叩いて砂を固める
「あ、ママだ」
「かえらなきゃ」
「じゃあねえ」
「ママー」
ポツンと立って今にも泣き出しそうなシンジ。しかし泣かずに作業を再開する
完成したピラミッドを茫然と眺めるシンジ。と、突然足を上げピラミッドにケリを入れる
「さじょうのろうかくか・・・・・・・・・」
揺れているブランコ。何度か往復して止まる。
無残にも崩れた城。しばし眺めていたシンジ。しゃがみ込んで周りの砂をかき集めて再び作り始める。
作業をしながら袖で涙を拭く。
「おんななんていくらでもいるさ、いくらでもな」
一人寂しく砂城を元に戻しているシンジの背中






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 | ||  |  | |  | | | | |\ヽ、   ‐   /  │|     | | |  | |


「だぁーーもおーーっあんた見てるとイライラすんのよっ!」





つづく

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