「マギへのハッキングが停止しました。Bダナン型防壁を展開。以後62時間は外部侵攻不能です」

「碇はマギに対し第666プロテクトをかけた。この突破は容易ではない」
「マギの接収は中止せざるを得ないな」
「できうるだけ穏便に進めたかったのだが、いたしかたあるまい。本部施設の直接占拠を行う」











#3 他人の干渉















「始めよう。予定通りだ」
戦略自衛隊ネルフ本部へ侵攻開始


「第8から17までのレーダーサイト、沈黙!」
「特科大隊強羅防衛線より侵攻してきます」
「御殿場方面からも2個大隊が接近中」
「やはり最後の敵は同じ人間だったな」
「三島方面からも接近中の航空部隊3を確認」
「双子山と駒ケ岳の緊急封鎖急げ」
「強羅第2防衛・・・Aの侵入」
「現在交戦中」
「総員第一種戦闘配置」
「戦闘配置?相手は使徒じゃないのに。同じ人間なのに」
「向こうはそう思っちゃくれないさ」





戦略自衛隊、ネルフ本部発令所に侵入



「台ヶ岳トンネル、使用不能」
「西、5番搬入路にて火災発生」
「侵入部隊は第一層に突入しました」
「南ハブステーションは封鎖」
「西館の部隊は陽動よ。本命がエヴァの占拠ならパイロットを狙うわ。至急シンジ君を初号機に
待機させて」
「はい」
「アスカは?」
「303号病室です」
「構わないから弐号機に乗せて」
「しかし未だエヴァとのシンクロは回復していませんが」
「そこだと確実に殺されるわ。かくまうにはエヴァの中が最適なのよ」
「了解!パイロットの投薬を中断。発進準備」
「アスカ収容後、エヴァ弐号機は地底湖に隠して。すぐに見つかるけどケイジよりマシだわ。レイは?」
「所在不明です。位置を確認できません」
「殺されるわよ。捕捉急いで」
「弐号機射出。8番ルートから水深70に固定されます」
「続いて初号機、発進。ジオフロント内に配備して」
「だめです!パイロットがまだ!」
施設内、どこかの階段。その陰にニヤけ顔でノートPC、キーボード叩いてるシンジ
「!!・・・・・・・・なんてこと」











#4 真夏の終演



















「セントラルドグマ。第二層まで全隔壁を閉鎖します。非戦闘員は第87経路にて退避してください」
「地下第3隔壁破壊。第2層に侵入されました」
「戦自、第1個師団を投入か。占拠は時間の問題だな」
「冬月先生、後を頼みます」
「わかっている。ユイ君によろしくな」







「第2グループ応答なし」
「77電算室、連絡不能」
「52番のリニアレール爆破されました」
「たち悪いな、使徒の方がよっぽどいいよ」
「無理もないわ。みんな人を殺すことに慣れていないものね」
「第3層Bブロックに侵入者!防御できません!」
「Fブロックからもです!メインバイパスを挟撃されました」
「第3層まで破棄します。戦闘員は下がって。803区間までの全通路とバイブにベークライトを注入!」
「第703からベークライト注入開始。完了まで30」
「これで少しは持つでしょ」
「葛城三佐、ルート47が寸断されグループ3が足止めを食っています。このままではシンジ君がっ!」
映し出されるニヤけ顔のシンジ。頬を引きつらせるミサト
「非戦闘員の白兵戦闘は極力避けて。向こうはプロよ。ドグマまで後退不可能なら投降した方が
いいわ。ごめん。あとよろしく」
「ハイ」





「意外と手間どるか」
「我々に楽な仕事はありませんよ」
「双子山はもういい。長尾峠の封鎖を急げ」
「了解」



「分が悪いよ、本格的な対人要撃システムは用意されてないからな。ここ」
銃の残弾を確認する日向くん
「ま、せいぜいテロ止まりだ」
サブマシンガンのケースを開ける青葉さん
「戦自が本気を出したらここの施設なんて、ひとたまりもないさ」
「今考えれば侵入者要撃の予算縮小ってこれを見越しての事だったのかな」
「ありうる話だ・・・・・・だぁっ!」
「第2発令所。左翼下部フロアに侵入者」
イスの陰で耳を塞いで震えているマヤさん
「ロック外して」
「私、私鉄砲なんて撃てません」
「訓練で何度もやってるだろ!」
「でもその時は人なんていなかったんですよ!」
頭上のコンソールに着弾、破片が降ってくる
「バカッ!撃たなきゃ死ぬぞ!」



赤く変色した水槽の中の漂う残骸を静かに見つめている
「レイ」
後方からゲンドウに呼ばれ気付くレイ
「やはりここにいたか。約束の時だ・・・さあ行こう」












#5 Love is destructive
















(エヴァパイロットは発見次第射殺。非戦闘員への無条件発砲も許可する)
(柳原隊、新庄隊速やかに下層へ突入!)




階段の間から見えるシンジ。ニヤニヤしながらも真剣な目でモニターを見てる表情
手前に弾が当たった音にもヘッドフォンをしてるので気付かない。熱心にエロ小説を書き続ける
3人の戦自隊員がシンジを取り囲む
「サード発見。これより排除する」
シンジの頭に突きつけられる銃
「悪く思うな、坊主」
バンッ
構えた途端銃声とともに飛ばされる指揮官
もの凄い勢いで発砲しながら走ってくるミサト。兵士の一人に弾が当たりよろけ出す
もう一人の兵士にケリを決めるミサト。奥の壁に叩きつけられる兵士
すかさず拳銃を喉元に突きつける
「悪く思わないでね」
ミサトの拳銃の発砲音にやっと気付きヘッドフォンを外したシンジ。
崩れ落ちる兵士。肩で息をしているミサト
「さっ、いくわよ。初号機へ」
「は?」



(第7ケイジの山岸支隊はどうか)
(ムラサキの方は確保しました。ベークライトの注入も問題ありません)
(アカい奴は射出されたもよう。目下ルートを調査中)
「おいおいどうなってんだよ・・・・・・・」
地下駐車場の陰で倒れた兵士の無線をいじくっているシンジ
「マズいわね。奴等、初号機とシンジ君の物理的接触を断とうとしているわ。
こいつぁウカウカできないわね」
「ウカウカしてたのはお前らじゃねえのか?」
「急ぐわよ」
「は?」
「ここから逃げるのかエヴァの所にいくのか、どっちかにしなさい」
「俺関係ないもん。これ以上巻き込むな」
「このままだと、何もせずただ死ぬだけよ!」
「死なねーよ。俺はパイロットで未成年だ。利用されてただけだから無実だろ」
「そんな事通用するわけないわ。あいつらはネルフを全滅させるつもりよ」
「は?んな訳ないだろ。俺達パイロットにはまだまだ価値がある。それに世論が守ってくれる。
マスコミに情報流して世界に知らせる」
「抵抗したから全部排除したってことにするわ。情報操作してるの何度も見てるでしょ
殺されるのよ!シンジくん!」
「ふざけんな!!!!!!!!!!!!!」





ミサトに襲い掛かるシンジ。襟首を掴む
「どうしてくれるんだよ俺の人生えええええええええ。エヴァが欲しいならくれてやりゃいいじゃねえか
これ以上俺に迷惑かけんじゃねえ!!!!!!!」
「・・・・・・・・・・・・・」
「お前が死ねよ!お前大人だろうが!最後まで責任持って俺を助けろよ!」
「こんな時だけ女にすがって、逃げて、ごまかして、中途半端が一番悪いわよ!」
「ざけんな!人類を救うのがなんでこんなことになってんだよ!俺は被害者だ!騙されたんだ!
悪い大人に!お前らネルフは悪いことしてたんだろうが!俺は関係ねえよ!!!!!!!!」
「何甘ったれた事言ってんのよ・・・・・・・・」
ミサトゆっくり顔を近づけ、キス
「アンタまだ生きてるんでしょ」
そして静かにシンジのこめかみに銃を突きつける
「だったらしっかり生きて、それから死になさい」






「かまわん。ここよりもターミナルドグマの分断を優先させろ!」
司令席で赤電話を使って各方面に指示している冬月
その下の司令塔とアンダーフロアでの撃ちあい。応戦している青葉と日向
コンソールと席の陰にクッション抱いたまま隠れているマヤさん
「あちこち爆破されてるのにやっぱりココには手を出さないか」
「一気にカタをつけたいところだろうが下にはマギのオリジナルがあるからな」
「できるだけ無傷で手に入れておきたいんだろう」
「ただ、対BC兵器装備は少ない。使用されたらヤバいよ」
「N2兵器もな!」






何もない濃紺の空に手前からいきなり大きく入ってくる光の球
雲の間をぬって芦ノ湖へ落ちていく、爆発!
仮設変電所いきなり吹き飛ぶ。土や岩が次々とめくれていく
ジオフロント・天井都市と装甲板がジワーっと溶けてゆく。バンとはじけて火球に包まれるフロント内
直撃される本部。爆発側の面が融解してしまう
発令所内。爆圧で吊橋がたわむ。奥で爆発するVTOL。大揺れの発令所
「ちっ!いわんこっちゃない」
「奴等加減てものを知らないのか!」
「無茶をしおる」
天井に穴の開いてしまったジオフロント全景。周りから湖の水が落ち込んでいる
そこへ撃ち込まれるミサイル群の雨アラレ
「ねえ!どうしてそんなにエヴァが欲しいのっ!?」





「サードインパクトを起こすつもりなのよ。使徒ではなくエヴァシリーズを使ってね」
オレンジ色に照らされたトンネル。切れると黒く広い空間。見えてくるエヴァ失敗の実験体の首たち
エヴァの実験体の墓場のあるLCLの地底湖のかかった橋の上を行く自動車
「15年前のセカンドインパクトは人間に仕組まれたものだったわ。けどそれは他の使徒が
覚醒する前にアダムを卵にまで還元することによって被害を最小限に食い止めるためだったのよ
シンジ君。私達人間もね。アダムと同じリリスと呼ばれる生命体の源から生まれた18番目の
使徒なのよ。他の使徒達は別の可能性だったの。ヒトのカタチを捨てた人類の。ただお互いを拒絶
するしかなかった悲しい存在だったけどね。同じ人間同士も・・・・・・・・・・」
「どっかの勉強しすぎでトチ狂った科学者のたわごとだろ!!!!!!!!!もう理系人間の話はウンザリだ!!!!!!!!
頭カラッポの方が夢詰め込めるんだよ!!!!!!!!ロマンティックをくれよ!!!!!!!!!!」
ナビ席で窓に力無くもたれて叫ぶシンジ。ミサト、シンジの髪をつかんで引き寄せ、キス
そのまま膝に寝かせる。髪を撫でて優しく諭す
「いいシンジくん。エヴァシリーズを全て消滅させるのよ。生き残る手段はそれしかないわ」
「もうヤダァ・・・・・・・・・・・・・さっきからずっと知り合いの偉いエロオヤジに助け呼んでたんだけど
携帯電源切れたし・・・・家に帰りたいよお・・・うっうっ」






首相官邸
「電話が通じなくなったな」
「はい、3分前に弾道弾の爆発を確認しております」
「ネルフが裏で遂行させていた人類補完計画。人間全てを消し去るサードインパクトの誘発が
目的だったとは・・・・・やはりアイツはとんでもないガキだ」
「自らを憎むことの出来る生物は人間くらいのものでしょう」
「さて残りはネルフ本部施設の後始末だが」
「ドイツか中国に再開発を委託されますか」
「買い叩かれるのがオチだ。20年は封地だな。旧東京と同じくね。それより奴の所有していた
マヤたんの着替え画像は・・・・」
「総理?」
「家宅捜索する地検から回してもらおっと」





「表層部の熱は引きました。高圧蒸気も問題ありません」
「全部隊の初期配置完了」
「現在ドグマ第3層とムラサキの奴は制圧下にあります」
「アカい奴は?」
「地底湖水深70にて発見。専属パイロットの生死は不明です」










振動で目を開けるアスカ
「・・・・・・・生きてる」









つづく

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