第弐拾弐話 せめて、人間らしく



シンクロ率が下がる一方でイライラを募らせるアスカ。加持さんに電話する
{おかけになった電話番号はお客様の都合により現在使われておりません}
「変ね・・やっぱり繋がらない・・・またどっかに行っちゃったのかな」
「か、加持さんはちょっと遠くに行ってるみたいだから・・・電話しない方がいいよ」
「うっさいわね!!近寄るんじゃないわよ!この変態!!!!!!!!!」
「落ち着けよアスカ。お前最近カンジ悪いぞ。シンクロ率なんて気にするなよ」
「ちょっとバカシンジまた酒飲んでるの?臭いのよ!!!」
シンジと綾波とアスカは電車に乗り込んだ・・・・

{今日は新秋葉に行ってきた。特に買う物無かったんだけど 帰りの電車の車中で酔っ払いの中学生がいた。
その酔っ払い中学生が、隣の女性客達に絡み始めた。
「アスカはおとなしくネルフを辞めて普通の女の子に戻りゃいいんだよ」 みたいなことを言って、
手を赤毛の女子中学生の顔に持っていって顎を掴んだ。
俺はさすがにマズいと思って、勇気を振り絞ってちょっと叫んだ
「おい、やめろよ!」と。きっと声震えてた。
「おい!あんただよ!やめろっていってるぎうこhくえほp!」
酔っ払いの中学生はようやく気付いたらしく 俺の方を向く。
「さっきからジロジロ見やがって…」 と睨み付けられた。 千鳥足で俺の座席の前までやってくる。
「あぁん、お前幾つだ?」
「22だ!」
「俺はなぁエヴァのパイロットこいえおヴぃえそいv」
何言ってるかよく分からなかったけど、大体「一般人のくせに生意気な」 みたいな感じのことを言ってきた。
「なんだ?やるのか?やるのか?」 酔っ払い中学生はもう喧嘩腰だった。
「ハア?何をですか?警察呼びますよ」
「警察でもネルフでも呼べじょふげg」
俺は無我夢中で立ち上がって酔っ払い中学生の両腕を掴んだ。

その時、騒ぎに気が付いた隣の車両にいた20代後半くらいの
綺麗な女性が助けに来てくれた。 酔っ払い中学生を後ろから羽交い締めにする。
「あぁ、わかったわかった。絡んじゃだめよシンちゃん」 さすが人生の先輩だった。刺激せずになだめる事を知ってる。
俺が座る隣の白髪の女子中学生が 「迷惑な人ですね」 と、俺に声をかけてきた。 「本当迷惑です」
車掌が「とりあえず、警察に引き渡すので次の駅で降りて下さいね」 と酔っ払い中学生に言うと、またわめきだす。
「ちょっとお巡りさん呼んでくるから、その人押さえててくれますか?」
警察官が2、3人やってきた 「この中学生?」
交番に着くと、酔っ払い中学生は交番の奥へ連行される。 わめき声と警察官の怒号が聞こえてきた。
「たっぷり油搾ってやるからw」 とお巡りさんが笑った。
「今時、お兄さんみたいな人、なかなかいませんよ」 と、赤毛の女子中学生が言ってくれた。救われた様な気がした。
「ありがとうございました 良かったら、お名前とご連絡先を教えてくれませんか?」 と、綺麗な女性が言った。
俺は女性の持ってたメモ帳に名前と住所を書いておいた
「すいません…私もいいですか?」 隣に座ってた赤毛の女子中学生にも書いておいた。
すると 「是非、今度お礼させて下さいね」 と言う。慌てふためいて 「いや、いいです、いいです」 と言ってしまった。
すぐに 「では、本当にすいませんでした」 と逃げるように去っていった 。終わりです }

家に帰って晩御飯食べるミサトとアスカ。国際電話で久々に育ての母親と話すもアスカの機嫌は直らない。
「気持ち悪い。バカシンジが入ったお湯なんかに誰が入るもんか。バカシンジの下着を洗った洗濯機なんて
誰が使うもんかバカシンジが使ったトイレなんかに誰が座るもんか。バカシンジと同じ空気なんか誰が吸うもんか。
バカシンジのベッドで誰が横になるもんか。バカシンジの枕に誰が顔を埋めるもんか。バカシンジの匂いに誰が
酔うもんか。バカシンジとのHで純愛な場面を誰が想像するもんか。バカシンジの事考えて誰が体を火照らせるもんか
バカシンジのこと考えて誰が自ら慰めたりする・・もんか・・ん・・・・・・・・・・・ぁっ」
ミサトはビール漬け。シンジは留置所||Φ|(|゚|∀|゚|)|Φ||

「女だからってなんでこんな目に会わなきゃいけないのよ。子供なんて絶対いらないのに・・・・」
アスカ、ネルフ本部のエレベーターの中でレイと2人きり。無言
「・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・心を開かなければエヴァは動かないわ」
「心を閉ざしてるってえの!!!!!!!!このアタシが!!!!!」
「そう。エヴァには心がある」
「あの人形にぃ?」
「わかっているはずよ」
「はん!アンタから話し掛けてくるなんて明日は雪かしらね」
「・・・・・・・・・」
「何よ!!!!!!!!アタシがエヴァに乗れないのがそんなに嬉しい?心配しなくっても使徒が攻めてきたら変態シンジ様が
やっつけてくれるわよ!!!!!!!私たちはなんにもしなくてもいいのよ!!!!!シンジだけがいればいいのよ!!!!!!!!
・・・・はぁあシンジだけじゃなく機械人形みたいなアンタにまで同情されるとはこの私もヤキが回ったわね」
「私は人形じゃない」
「うるさい!人に言われたまま動くくせに!アンタシンジがネコミミつけて語尾に{ニャン}をつけろと言われたら
言うんでしょ!」
「そうニャン」
アスカ、レイを引っぱたく。
「やっぱりアンタ達ラブラブニャンじゃない!!!!!影で私のこと2人で笑ってたニャン!!!!!みんなみんな大ッ嫌いニャン!!!!!!!!!」

学校
「シンジ今日も来ないな。綾波はいつものこととして」
「アスカも来ない。鈴原もまだ退院できないし」
「学校どころじゃないんだな、今や」
「オツカレヂャ━━━━( ´∀`)━━━━ン!!!!」
「来たのかよ!!!!!!!!!」
「碇くん!!!!!!!!」
「いやぁ昨日はブタ箱で寝たぜ、まったく電車男め。よッヒカリトウジの様子どう?」
「うん。碇くんの紹介してくれた評判は悪いけどモグリのお医者さんのおかげで足もくっついたし」
「ネルフはえらい額の治療費請求されて泣いてたけど自業自得さ。しかし人減ったなぁ」
「ああみんな疎開していったよ。俺たちもいつまでここにいられるかわからないし」
「そっか。じゃあお医者さんごっこでもするか」
「なにがじゃあなんだよ・・・・・・・」
「はい、今日はどうしました?」
「えっ、あっそその胸が苦しくて・・・・」
「委員長嫌なら断れよ」
「そうですかいけませんねえ。それじゃあ早速」
「きゃっ・・・・・・・・・・ドキドキ」
「えーCマルDマルEマル」
「歯医者かよ・・・・・・・・・・・・・・」

第拾伍使徒 アラエル襲来
「レイは」
「零号機ともに順調。いけます」
「了解。零号機発進、超長距離射撃用意。弐号機アスカはバックアップとして発進準備」
「恋のバックアップ!アタシが!零号機の!」
「そうよ。広報に回って・・・・・じゃなくて後方に回って」
「・・・・・冗談じゃないわ。弐号機発進します!!!!!!」
雨の中、アスカ弐号機勝手に出撃
「いいわ先行してやらせましょ」
「これでダメならアスカもこれまでという事ね」
「ラストチャンスですか」
「弐号機パイロットの変換考えておくわよ」
「あのう初号機は出さないんですか」
「凍結なのよ。碇司令の絶対命令でね・・・あんな事のあとじゃ無理ないか」
「てゆうか恋のバックアップくらいから話見えないんだけど、今から使徒と戦うんだよな」
「わかるもんかw」

(これを失敗したら弐号機を降ろさせる。シンジは完全にファーストに取られる。失敗は許されないわよ。アスカ)
使徒、衛星軌道上からEVA弐号機パイロットに精神攻撃を仕掛ける。苦しむアスカ
「心理グラフが乱れています!精神汚染が始まります!」
「いやあああああああ」
「使徒が心理攻撃。まさか使徒に人の心が理解できるの」
「訳わかんない。早くなんとかしろよお前ら!!!!!」
「いやああああああああああああああ」
「陽電子消滅!ダメです射程距離外です!弐号機ライフル残弾ゼロ!」
「光線の分析わ」
「可視波長のエネルギー波です。ATフィールドに近いモノですが、詳細は不明です」
「アスカは」
「危険です!精神汚染Yに突入しました」
「いやあああああああああああああああああああ」
「専門用語使ってないで誰か俺に三国史に例えて状況を説明してくれ!!!!!!!!」
「お前はちょっと黙ってろ!!!!!!!!!」

「アタシを汚さないでアタシの中に入ってこないで・・・アタシの心まで覗かないで、お願いだからこれ以上
心を犯さないで!!!!!!!!!!!!!!」
「心理グラフ限界!!!!!!!!」
「精神回路がズタズタにされているわ。これ以上の過負荷は危険すぎるわ」
「アスカ戻って!!!!」
「イヤよ!!!!!!!」
「命令よ、アスカ撤退しなさい」
「イヤ!!!絶対にイヤ!!今戻るくらいならここで死んだ方がマシだわ!!!!!」
「バカ!!!!!ガキの癖に死んだ方がマシとか言ってんじゃねえよ!!!!親父なんとかしろよ!!!!!!!」

精神汚染されるアスカ
「なんでアタシ泣いてるんだろ。もう泣かないって決めたのに」
{どうしたんだアスカ。新しいママからのプレゼントだ。気に入らなかったのか}
{いいの}
{なにがいいのかな}
{アタシは子供じゃない。早く大人になるの。ぬいぐるみなんてアタシにはいらないわ。だからアタシを見て
ママ!お願いだからママをやめないで}
{一緒に死んで頂戴}
{ママ!ママお願いだからアタシを殺さないで!いやアタシはママの人形じゃない!自分で考え自分で生きるの!
パパもママもいらない。一人で生きるの!}
「いや!そんなの思い出させないで、折角忘れてるのに掘り起こさないでそんなイヤな事もういらないの
もうやめてやめてよぅ・・・・・・・・・助けて助けて加持さん!」
{アスカはまだ子供だからなグヘヘ}
「なんでバカシンジが出てくるのよ!!!ろくなことしない!私だけを愛してくれない!抱きしめてもくれないくせに!」
{大丈夫優しくしてやっから}
「汚された・・・私の心が・・うっうっ加持さん・・・・汚されちゃったどうしよう汚されちゃったよう」

弐号機活動停止!生命維持に問題発生!パイロット危険域に入ります!目標今だ変化なし
「アスカが苦しんでいるのになんで俺はこんなに萌えてるんだ・・・クソッ俺って奴は・・・・・」

零号機の攻撃も使徒には届かない
「俺が初号機で出る!!!!!!!」
「いかん!目標はパイロットの精神を侵食するタイプだ」
「今、初号機を侵食される事態は避けなけねばならん」
「俺なら大丈夫!!!!!!!!!!!!!!」
「その保証はない。お前が侵食されれば手に負えない」
頷くスタッフ一同
「でもこのままじゃアスカが!!!!!!!!!!あんなに苦しんでるのに!!!!!!!」
「かまわん。レイ、ドグマを降りて槍を使え」
「ロンギヌスを槍をか!碇、それは・・・・」
「ATフィールドの届かぬ衛星軌道の目標を倒すにはそれしかない、急げ」
「わかったニャン」
「綾波頼んだぞ!!!!!!!!!!」
「任せるニャン」
レイ零号機、ロンギヌスの槍を投擲。
使徒を撃破
「やったぜ!綾波すごいぜ!!!!」
「撫で撫でして欲しいニャン。ゴロゴロ」

弐号機健在グラフ正常位置 機体回収は二番ケージへ 第67番ルートを使用して下さい
「アスカ良かったな」
「うるさいニャン!ちっともよくないニャン。よりにもよってあのメス猫に助けられるニャンて
あんな泥棒猫に助けられるニャンて、そんニャことなら死んだ方がマシだったニャン!!!!
嫌い嫌いみんな嫌い大ッキライニャン!!!!!」
「チームワークだニャン。アスカ。使徒もあと二匹、あとちょっとニャン。無事で良かったニャン・・・」
背中丸めて座ってるアスカを抱きしめるシンジ
「平和にニャッて、ネルフニャンかやめて、普通のかわいい女の子に戻るニャン」
「汚されたニャン・・・・」
呟くアスカ。それでも拒まないのはただ単に疲れていたのかそれとも・・・

どちらにせよせめて、人間の言葉らしく

つづく

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